人工芝は一度きちんと施工してしまえば、ほぼメンテナンス要らずで長く使えます。
しかし、やはり人工物である以上、劣化は避けられません。
導入にそれなりの費用がかかっていますから、張り替えはできるだけ慎重に考えたいものです。
この記事では人工芝を張り替える目安と、DIYで張り替える場合の手順について説明します。
そもそも人工芝は張り替える必要があるの?
結論から申し上げると、張り替える必要があります。長く使えるとはいえ、人工芝も劣化していくためです。
人工芝が劣化する要因はおもに次の6つです。
- 芝葉が踏み固められる
- 芝生の上に重いものを長期間置いている
- 直射日光があたる
- 時間の経過とともに風化する
- 人工芝を固定するピンがずれる
- 防草シートが劣化する
どれも基本的には長い時間をかけて起こっていく現象です。劣化した人工芝を放置すると雑草やカビの発生につながります。そうなる前に張り替えを検討しましょう。
人工芝を張り替える目安とは?
それでは、人工芝は具体的に何年ぐらいもつのかが気になりますよね。
張り替えまでの一般的な年数と、タイミングを見極める目安を解説します。
一般的な張り替えの年数とは?
人工芝の耐用年数はおよそ5〜10年といわれているため、10年経ったら張り替える目安と考えましょう。もちろん製品や使用状況によって変わってきます。2年しかもたない場合も、10年以上使える場合もあります。
張り替えには費用や労力が必要ですから、使えるならできるだけ長く使いたいと思うのは自然なこと。迷うときはなぜ人工芝を敷いたのかを思い出してください。
きれいな景観を楽しみたいのであれば、破損や汚れ、色褪せによって美しさを感じにくくなったときが交換のタイミングでしょう。
また、お子さんやわんちゃんが安心して遊べるために敷いたのであれば、クッション性が損なわれたときが張り替えのタイミングといえます。
人工芝の劣化は長い時間かけてじわじわと起こるため、毎日使っているとなかなか気づきにくいものです。「明らかに気になる」ようであれば交換しましょう。
張り替えタイミングの見極め方
人工芝を敷き直すタイミングを見極める具体的なポイントは次の6つです。
- 色褪せ
- 人工芝のベースであるラバー部分の破損
- 葉の潰れ
- 芝の浮きやズレ
- 水たまり
- 焼け跡
色褪せ
屋外に敷いた人工芝の場合、直射日光が長くあたりつづけることによって葉が色褪せてきます。日の当たりにくい部分と比較して色褪せが目立つようであれば交換のタイミングです。
ラバーの破損
人工芝のベースであるラバー部分も経年劣化します。割れたり、破れたりしている部分があれば交換しましょう。
葉の潰れ
人がよく通る部分や、テーブルやプランターなど重いものを長期間置きっぱなしにしている部分は葉が潰れてしまいます。
デッキブラシでブラッシングしても立ち上がらない場合は交換時期といえるでしょう。
芝の浮きやズレ
とくにDIYで芝を敷いた場合に起こりやすいのが芝の浮きやズレです。
芝の張り方や整地が甘いと、人工芝の浮きやズレを招き、美しさを損ねます。さらに雑草が生える原因となり、放っておくと張り替えの際の草取りが大変になるため、早めに交換しましょう。
水たまり
水たまりの原因も整地にあります。整地がきちんとできておらず、水はけの悪い状態で人工芝を敷いてしまうと人工芝の下に水が溜まり、カビの発生を招きます。
焼け跡
人工芝は火気厳禁ですが、知らずにバーベキューをしてしまうこともあるでしょう。
コンロの熱や火の粉によって人工芝は溶けてしまいます。ほかにも花火やタバコが焼け跡の原因になります。
修理がきかないため、直したければ張り替えるしか方法がありません。
人工芝の張り替え方法
人工芝をDIYで導入できるように、張り替えもDIYが可能です。
ここでは人工芝を張り替える3つの手順を解説していきます。
ステップ1. 人工芝をはがす
はがし方は簡単で、U字ピンを抜いて人工芝をめくるだけです。
防草シートを敷かず、地面に直接人工芝を敷いてある場合は土をしっかり落としましょう。土をゴミとして回収しない自治体がほとんどだからです。
コンクリートに接着剤や粘着テープを使って敷かれた人工芝の場合、無理にはがすとコンクリートを傷めてしまうため、注意が必要です。専用の薬剤やスクレイパーを使って慎重にはがしていきます。
ステップ2. 整地する
整地は人工芝を施工する際にも入念におこなわれているはずですが、10年も経てば雨の影響や人に踏み固められてでこぼこになっている可能性もあります。
雑草が生えていたら根こそぎ取り除き、下地材を追加してもう一度しっかりと地面を押し固め、平らにならしましょう。
施工時と同様に、整地の作業はとても重要です。土が柔らかいまま張り替えてしまえば人工芝の沈みにつながりますし、地面が平坦でなければ水たまりの原因になります。
コンクリートに敷いた人工芝では苔が生えていることがあります。この場合は高圧洗浄機などできれいに掃除しましょう。
ステップ3. 防草シートと人工芝を張る
整地のあとは防草シートを敷く作業です。いったん大きめにカットし、ざっくりと仮敷きしていきます。仮敷きできたら、およそ1m間隔でU字釘で固定します。
防草シートを固定したら、次はいよいよ人工芝の施工です。仮敷きをしてから正確なサイズに切っていきます。
芝からはみ出ている防草シートは、カットするよりも人工芝の下に折りたたむほうがおすすめです。切りすぎて防草効果を損なわないためです。
防草シートを仕上げたあとに人工芝をU字釘で固定します。人工芝をならべて使う場合は固定する前に3-1をおこなってください。
ステップ3-1. 人工芝をつなぎ合わせる
人工芝のつなげたい部分にジョイントテープを貼ります。ジョイントテープのまんなかがちょうど人工芝のつなぎ目を通るように、マジックで印をつけながら貼りましょう。
テープを貼ったら剥離紙をはがし、もう片方の人工芝を貼り合わせます。
業者依頼で長持ち&綺麗に!相場などをご紹介
ご覧いただいたように、人工芝の張り替え作業は導入時の作業とほぼ同じです。そのため、張り替えにかかる金額も導入時と大きくは変わらず、業者に依頼する場合はだいたい7,000円〜10,000円程度が目安です。
もちろんDIYでも張り替えは可能ですが、プロに任せれば失敗のリスクは大幅に低減できます。お金がかかっても業者を利用するほうが安心でしょう。
張り替えの際も事前に見積もりを出してもらい、親切に対応してくれそうか、内訳(作業項目ごとの費用)が明らかになっているかをきちんと確認することで、作業後のトラブルも防げます。
おわりに
この記事では人工芝を交換するタイミングや手順について詳しく解説してきました。
人工芝の寿命は5〜10年で、10年経ったら張り替えの目安です。また使用する環境や使い方によっても寿命が変わってくるため、交換時期を見極める6つのポイントも紹介しました。
芝生の状態を一度よく確認し、張り替えるタイミングだと感じたらDIYもしくは業者への依頼を検討しましょう。