サッカー場の芝には天然芝と人工芝の2種類があり、どちらを導入するべきか迷うケースはよくあります。多くのサッカー場では天然芝が導入されているのですが、メンテナンスに手間と費用がかかる点がデメリットです。天然芝は天候の影響を受けやすい点や汚れやすい点などもマイナスの要素となります。そのため、人工芝を導入するケースは増えています。
本記事ではサッカー場に人工芝を導入するメリットや人工芝の特徴、選び方などについてまとめました。人工芝の導入を検討している方は参考にしてください。
サッカー場で人工芝を導入するメリットや特徴
サッカー場に人工芝を導入するとどのようなメリットがあるのか、人工芝にはどんな特徴があるのか紹介します。
メンテナンスの容易さ
人工芝を導入する大きなメリットはメンテナンスの容易さです。
天然芝を導入するとメンテナンスに苦労するケースがよくあります。天然芝は生きているものであり、そのままではどんどん伸びてきて、やがては枯れるものです。天然芝は変化していくため、常にメンテナンスしなければいけません。水やりや肥料やり、芝刈り、補修といった作業が必要になり、費用と手間がかかります。
人工芝を導入すると、天然芝と比較してメンテナンスにかかる作業負担や費用を軽減できるのがメリットです。人工芝は成長しないため水やりや肥料やり、芝刈りは不要になります。日々のメンテナンスは枯れ葉やゴミなどを取り除くだけです。砂や芝が少なくなった場合は、新たに砂やゴムチップなどを補填します。
人工芝を導入することで、メンテナンスは容易になり、費用も節約できるのが大きなメリットです。
プレーの一貫性と安定性
人工芝は天然芝と比較して天候の変化に強いです。天然芝は天候の変化によって劣化する可能性が高まります。人工芝であれば、どのような天候でも劣化しにくく、均一な表面を維持できるのがメリットです。
また、人工芝はグラウンドの均一性を保ちやすく、プレーの一貫性を持たせられます。人工芝はどんな季節でも均一な状態を維持しやすく、プレイヤーはどんな時期にも同じ環境でプレイできるのがメリットです。
人工芝を導入することはプレイヤーの安全性を高めることにもつながります。人工芝ではクッション材が敷かれるため、転倒の際の衝撃を和らげることが可能です。グラウンドのクッション性が高まり、プレイヤーの怪我を減らします。
芝生の外観と持続可能性
人工芝は雨や雪にさらされたとしても外観を維持しやすい点がメリットです。天然芝の場合は、雨や雪の影響によって表面が荒れ、茶色く枯れてしまうケースがあります。人工芝の場合は、天候の影響を受けて見た目が変化することはなく、外観をキレイに保ちやすいです。
また、人工芝は持続可能性が高い点もメリットといえます。競技用の人工芝は耐久性が高いです。踏まれても復元する機能や表面温度を抑制できる機能を持った人工芝があります。いつまでも同じ状態を持続できる可能性が高いのが人工芝です。人工芝を設置した場合は、数年経過したとしてもキレイな状態を保つことができます。今後はさらに持続可能性の高い人工芝が登場するでしょう。
サッカー場に適した人工芝を選ぶためには?
サッカー場に適した人工芝を選びたいならば、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- スポーツ用人工芝を選ぶ
- コストにこだわる
- 見た目や機能性にこだわる
サッカー場に適した人工芝の選び方を詳しくみていきます。
スポーツ用人工芝を選ぶ
人工芝にはさまざまな種類があり、サッカー場に適しているものはスポーツ用人工芝です。スポーツ用人工芝は、クッション性が高くなっていて、怪我の防止やパフォーマンスの向上の機能があります。スポーツ用人工芝の上で転倒したとしても怪我をしにくく、身体への負担を和らげることができます。
また、スポーツ用人工芝は耐久性が高いのも大きな特徴です。サッカー場や野球場などはグラウンドで激しい動きをするため、芝に高い耐久性が求められます。スポーツ用人工芝であれば、激しい運動が行われたとしても、芝はキレイな状態を長く維持することが可能です。
景観用の芝ではサッカー場に適さないため、必ずスポーツ用の人工芝を導入しましょう。
コストにこだわる
スポーツ用人工芝は高機能であり、施工に手間がかかるため、景観用人工芝と比較するとコストが高いです。施工の際には丁寧に作業を進める必要があり、時間がかかります。施工の際には緻密な精度が求められるため、スポーツ用人工芝の導入には高額な費用がかかる点に注意しましょう。
スポーツ用人工芝を導入する際には、事前に見積りをもらうことが大切です。単に人工芝を購入する費用だけではなく、施工の費用も確認しておきましょう。施工にどのくらいの費用がかかるのかは、人工芝の種類や工事の内容、グラウンドの面積により異なります。サッカー場への人工芝の施工例では、人工芝の導入によって1億〜2億円の費用がかかったケースが多いです。
見た目や機能性にこだわる
人工芝を導入する際には、芝の見た目や機能性にこだわりましょう。近年は人工芝を開発する技術が高まり、本物の芝に近いリアルな見た目のものが増えています。それでも、実際に間近で見てみると、違和感のある人工芝も少なくありません。事前に見た目を確認しておき、違和感のないものを選びましょう。起立性があり、しなやかさのある芝立ちをしたものであれば、リアルな芝に見えます。
また、サッカー場に導入する人工芝は機能性にこだわることが大切です。衝撃吸収性や温度抑制効果、抗菌性などが重要になります。平坦性や排水性、安全性、プレー性といった機能にもこだわりましょう。高機能の人工芝を導入すれば、怪我のリスクを防ぎ、景観が良くて、プレーもしやすいです。
サッカー場の人工芝はどんなメンテナンスが必要?
サッカー場に人工芝を導入するとどのようなメンテナンスが必要になるのか説明します。
定期的なメンテナンス
サッカー場の人工芝は定期的なメンテナンスが欠かせません。芝の上では激しいプレイが行われており、芝にはダメージが蓄積されていきます。また、人工芝の上にゴミが蓄積していくため、定期的にメンテナンスをしておかないと劣化する原因となるため注意しましょう。
人工芝のメンテナンスは、基本的には月に1回の頻度でクリーニングやブラッシングをすることです。専用の機械を用いてクリーニングやブラッシングをすることでゴミを取り除きます。ただし、業者に依頼する場合はコストがかかるため、実際にはクリーニングやブラッシングの頻度が落ちるケースは多いです。専用の機械を購入すれば、業者に依頼せずに自分たちでクリーニングすることができます。
また、人工芝の中で使用頻度の多い部分について補充用チップを撒くことも大切です。人工芝には充填物が含まれていて、プレー機会が多い場所は充填物が飛散します。定期的に補充用チップを撒けば、プレー性の維持が可能です。
落ち葉やゴミなどは竹箒やブロアーを用いてすぐに掃き出しておきます。人工芝の中に落ち葉が入り込むケースを防ぐためです。
不定期の修復・交換などのメンテナンス
人工芝を長く使用していると日々のメンテナンスでは対応しきれないケースが出てきます。たとえば、一部がはげてしまった場合は、部分的に補修や修復が必要になるでしょう。
人工芝の傷んでいる部分を切り抜いて剥がし、新しい人工芝を張り直すことは可能です。この場合は、新しい人工芝を敷設することになります。ただし、人工芝を部分補修するのは難しく、業者に依頼すると高額な費用がかかるケースがあるため注意しましょう。
また、部分補修では対応できないケースや耐用年数を超えた場合には、人工芝の交換が必要です。人工芝の張替えについては、メーカーによって年数が異なります。基本的には7〜10年程度で張り替えた方が良いです。繋ぎ目が割れている、充填剤やシートが露出している、機能が失われているといったケースは人工芝を張り替える目安となります。
人工芝交換の方法は、すべて剥がして新しく敷設する方法と、既存の人工芝の上に新しい人工芝を敷設する方法(オーバーレイ工法)の2種類です。オーバーレイ工法の方が工期は短くなります。実際にオーバーレイ工法を採用して人工芝を交換するケースは増えています。
まとめ
サッカー場といえば天然芝のイメージがあるのですが、実際には人工芝のグラウンドが増えています。人工芝を導入することでメンテナンスのコストを抑えることができて、怪我防止やプレー性の向上などの効果を期待できるでしょう。
ただし、人工芝にもさまざまな種類があり、機能や導入コストなどには違いがあります。導入にどのくらいの費用がかかるのか、メンテナンスにどの程度の手間がかかるのかを考慮した上で、人工芝の導入を検討しましょう。また、それぞれの目的に合わせて、必要な機能の備わった人工芝を選んでください。