【グラウンドに人工芝を敷くなら】敷設費用や維持費をご紹介!

人工芝 メンテナンス

グラウンドに人工芝を敷くか天然芝にするかをご検討されている場合の参考に、人工芝・天然芝のメリット・デメリットをご紹介します。グラウンドの規模により、費用は大きく異なりますが、人工芝にかかる費用と導入時の施工手順についてもあわせてご紹介します。

そもそも人工芝と天然芝の違いって?

人工芝と天然芝の違い

人工芝と天然芝の違いは、樹脂と植物の違いというだけではありません。それぞれの特性からくるさまざまな大きな違いがあります。グラウンドを運営していく上での、何よりの違いは芝のコンディションの維持にかかる時間と、ランニングコストの違いです。その他に、プレーする上での安全性、雨が降った時の水はけなど、芝の傷みやすさなど異なる点は多くあります。

人工芝のメリット・デメリット

グラウンドに敷いた人工芝のメリットとデメリットは以下の通りです。

人工芝のメリット人工芝のデメリット
・メンテナンスにかかる手間、費用が少ない・水はけがよいので雨天後も待たずに利用できる
・クッション性があり転倒などの場合にもけがをしにくい
・ラインを埋め込むとライン引きのコストがかからない
・初期コストが高い
・寿命が来たら貼り替えが必要
・夏季に人工芝に熱がこもり地面の温度が高くなる
・投てき競技ができない(投てき可能な特殊な人工芝も開発されている) 

人工芝の「メンテナンスにかかる手間とコストが少ない」「雨のあとすぐにグラウンドを使用できる」というメリットは、運用していくうえでとても有利です。しかし、夏季の人工芝上の暑さが、プレーヤーに負担をかけることがデメリットと言えるでしょう。

天然芝のメリット・デメリット

天然芝にもメリットとデメリットがあります。

天然芝のメリット天然芝のデメリット
・初期コストが人工芝より安い
・管理によっては恒久的に利用が可能
・蒸散効果により、地表の温度を下げる・CO2の吸収など環境にやさしい 
・水やり、芝刈り他のメンテナンスに時間とコストがかかる
・天然芝は養生期間が必要
・雨天後にコートが乾くのに時間がかかる、すぐに使うと芝が痛む
・使用が頻繁な場所、激しい場所は芝が枯れて芽を出さなくなる

天然芝のメリットは、「夏の芝上の気温が人工芝より低いこと」「環境にやさしいこと」です。初期コストが安いのはメリットですが、その後の維持管理費が高くつくため、メリットが相殺されてしまう感が否めません。

グラウンドに人工芝を敷くメリット

グラウンドに人工芝を敷くメリットにはとても大きなものがあります。

施工期間が短くメンテナンスが容易

天然芝に比べ、2~8週間と工期が短く施工後速やかに、プレーが可能となります。メンテナンスは人工芝の上に入れたゴムチップをほぐし偏りを修正、著しい痛み箇所がないかをチェックする程度です。著しい痛みがあれば、部分補修で対応することになります。

水はけがよく雨天にも強い運営が可能

人工芝は雨に強く、雨が止んだ後すぐにプレーが可能です。グランドを運営する側にとっても、プレーヤーやチームにとっても、日程の変更が少なくて済むというメリットがあります。

適度なクッション性がプレーヤーのけがを減らす

ロングパイルの強靭な人工芝は、サッカー・ラグビー・アメフトなど競技を問わずプレーが可能です(投てき競技・ゴルフは不可)。程よいクッション性が、転倒時のプレーヤーの体と頭を助けることでしょう。

グラウンドへの人工芝導入にかかる費用は?

人工芝をグラウンドに施工する場合、サッカー場では1億2千万円前後がかかります。これは同じグラウンドを天然芝で施工した場合の1.7~1.8倍の金額になります。しかし、工期がかなり異なり、取り掛かりから使用可能になるまでの時間は、圧倒的に人工芝の方が短いのが特長です。

人工芝のグラウンドの場合、通常2~8週間で施工完了となります。天然芝の場合は基盤となる土の施工からを含めれば6か月(施工2か月、養生4か月)がかかります。天然芝の場合は、養生期間もメンテナンスが必要ですので、いかに人工芝の施工が早いかわかりますね。

必要な手入れや維持費は?

人工芝に必要な手入れや補修は、おおむね下記の3つになります。年間のコストにすれば管理費が100万円まで、補修コストは100万~2,000万円までと予測できます。

【管理】芝の間に入っているゴムチップをほぐし、偏りがないように均す

【管理】ゴミや枯れ葉などを取り除く

【補修】著しい痛みがある箇所を部分補修する

寿命が来たら人工芝をはがして、貼り直すことになりますので、大きな費用がそこで発生します。張り直しまでの年数は状況により異なりますが、5年を過ぎたあたりが目安とされています。

グラウンドに人工芝を導入する手順 !

1)路盤工事・土壌改良工事

人工芝の下のベースになる工事です。現在、工法は「アスファルト舗装」「砕石と表面固定」「クレイ」などがあります。

アスファルト舗装

グラウンドにアスファルト舗装を行いその上に人工芝を敷設します。アスファルトは平坦な面を作りやすく、排水性がよい特長があります。

砕石と表面固定

砕石の上に表面固定材を散布し、施工後に不陸(水平ではなく、でこぼこがある状態)が生じないように、表面を安定させます。メリットは、アスファルトに比べ地面の蓄熱性が少なく、夏の暑さを軽減できます。

クレイ

現況土に改良材を混ぜ合わせ、敷きならして転圧をかけ水平にします。現況土を用いるため、低価格な路盤工法です。人工芝上の夏の暑さを軽減し、熱中症対策にもなります。

2)舗装工事

路盤をブルドーザーで敷き均した後、転圧し不陸をなくします。人工芝グラウンドには1%程度の水勾配をつけるのが通常です。人工芝の下地は、天然芝以上に路盤の精度が表面の仕上がりに影響してきます。下地の不陸や水勾配の不良が影響するため、品質のよい工事が欠かせないところです。

3)人工芝敷き込み

舗装工事をした上に、人工芝のロールを広げていきます。サッカーグラウンドに使用される人工芝は、ロングパイル、テニスコートはショートパイルの人工芝を敷設します。

4)ジョイント

人工芝のつなぎ目を貼り合わせる作業です。人工芝同士を突き合わせて接着していきます。

5)ライン埋め込み

コートにマーカーやラインを埋め込みます。

6)目砂とゴムチップを散布

目砂を撒き、ゴムチップを散布し均します。黒のゴムチップは夏季に熱を吸収しやすいという特徴を持ちます。温度が上昇しにくい弾性骨材などを散布するという方法も最近は行われているようです。

ゴムチップがあることで適度なクッション性が保たれ、プレーヤーの転倒時や、滑り込み時の衝撃を吸収してくれます。

テニスコートの場合は、砂や珪砂のみの充填となります。

7)調整後検査

最終の調整後、検査をして工事は完了となります。

おわりに

グラウンドに芝を敷設する場合に知っておきたい事柄をご紹介しました。

人工芝と天然芝の違いを元に、それぞれのメリット・デメリットを表で解説。合わせて導入時の費用や施工手順をご紹介しました。以下にまとめます。

◆大きなメリット4つ◆

・人工芝をグラウンドに敷設の場合、初期費用は高いが、メンテナンスは容易で費用も少ない。
・人工芝は雨に強く、雨天の際も、雨天後も水はけがよくすぐにプレーできる
・養生期間が不要なため施工期間が短い
・天然芝は傷んで枯れると養生や休ませる期間が必要だが、人工芝は短時間で補修工事が可能

デメリットは、夏季に人工芝上の気温が高くなることです。
蓄熱しにくい路盤にするなどで、熱中症を防ぐなどの対策が検討できるため、業者に相談してみましょう。